おやき 信州の実現
数字で言うと、2〜4℃の気温上昇です。
温帯には温帯という気候の中で適応して進化してきた生態系ができあがっています。
この温度上昇が、氷河期から温暖期への移行のように何千年という時間をかけて変化するのであれば、生態系は十分対応していくことができます。
しかし、この温度上昇がわずか100年で起ころうとしているのです。
生態系はこれほどの急激な変化にはついていけません。
急激な温暖化によってまず大きな影響を受けるのは、地表で活動している微生物やバクテリアです。
これらが地表温度の急上昇に適応できずに死んでしまいます。
するとミミズや昆虫はエサがなくなって飢え死にします。
その結果、土が死に、森林が消え、動物が絶滅します。
これらのことは、2℃程度の温度上昇であっても起こると予想されているのです。
特に森林地帯への影響が深刻で、IPCCは「温暖化による気温上昇によって、今後100年間で等温線が150〜550キロメートル高緯度側に移動し、地球の全森林面積の3分の1で植生が何らかの変化を受ける。
また、病害虫・火災の増加などによる森林損壊で、より大量の二酸化炭素が放出される」と予測しています。
そして「そうなれば、地球上の森林のうち3分の1が適応できずに枯れたり、育ちが悪くなったりする。
育ちが悪くなると抵抗力がなくなるので木食い虫などにやられてしまう。
木が枯れると二酸化炭素を吸収しなくなるばかりか、腐ったり、燃えたりするときに二酸化炭素を排出してしまう」と言っています。
食糧生産が減少するIPCCは、温暖化の影響で「コメの収穫量が中国の場合で、現在より78%も減少する」と予測しています。
また、日本の国立環境研究所も次の図のように、食糧生産が減少するとしています。
中国をはじめとするアジア地域では、温暖化と同時に人口爆発も起こっています。
このままでは、アジアは食糧問題がますます深刻になって、大規模な飢餓や難民問題に襲われることになるでしょう。
アジアだけでなく、世界中で食糧は不足すると予想されています。
日本の農林水産省は、「早ければ2030年頃に、小麦や稲など主要穀物の栽培に適した土地が世界で半減する」という予測を発表しました。
たとえば、世界最大の穀倉地帯である北アメリカでは、現在の穀倉地帯が打撃を受ける代わりに、もっと北にある地域が小麦栽培に適した気象条件になるはずでした。
しかし、この地域の土壌は養分が少なくて酸性が強くて、小麦の生産に向かないことが分かりました。
そして、その辺りには大森林地帯が広がっていて、この森林を大量に伐採しなければ、新たに耕地をつくることはできないのです。
また、「ヨーロッパでは小麦やトウモロコシの適地が消滅する」とまで言われています。
穀物がなくなれば、その穀物をエサとする牛や豚といった家畜も生きられず、牛肉も豚肉も食べられなくなることは言うまでもありません。
温暖化で水産資源も減少する実は、温暖化で魚や貝などの水産資源も危ないのです。
すでにその兆候が現れています。
たとえば、アメリカのカリフォルニア州沖の太平洋で最近約40年間に、海水の温度上昇が引き金となってプランクトンの数が80%も減っていたことが分かりました。
付近の海域を調べてみると、プランクトンが減っているところの水温が、1.1〜1.7℃高くなっていました。
水温の上昇は、海面から深さ180メートルのところまで起きていて、海面に近いほど温度が高くなっていたのです。
なぜ水温が上がるとプランクトンが減るかというと、海底から沸き上がってくる地下水が海面まで昇ってこれなくなるからです。
この地下水は比較的温度が低いのですが、通常の海面温度であれば海面付近まで昇ってきて、プランクトンにミネラルなど栄養分を補給します。
しかし、海面の温度が高くなると地下水が上昇できなくなり、プランクトンの栄養が絶たれてしまうことになるのです。
こうして、栄養を絶たれたプランクトンが減少すると、イワシやサバなどのエサが不足し、飢えて死にます。
すると今度は、ハマチやマグロなどの大型魚のエサがなくなるといった具合に、食物連鎖を通じて水産資源も大きな影響を受けてしまうことになるのです。
日本近海でも、最近イワシが激減していますが、これも海水温度の上昇による影響と見られています。
世界中で健康被害が増加地球温暖化で、健康への被害が増えると心配されています。
IPCCは、「マラリア患者が5000〜6000万件も増加する。
また、気温上昇・洪水増加の影響としてコレラなどの感染症も増加する恐れがある」と予測しています。
世界保健機関(WHO)によると、現在でも南アジア、アフリカ、中南米を中心に年間3〜5億人がマラリアに感染し、150万人〜270万人が死亡しています。
日本でも健康被害が予想されています。
環境庁は、「21世紀半ばには、西日本全体がマラリアの流行危険地域に入る可能性がある」と言っています。
また熱帯病の一種で、デングウイルスが原因で発熱や出血などを引き起こすデング熱も、温暖化が進むと日本に上陸する可能性があると指摘されています。
コレラ菌、サルモネラ菌、病原性大腸菌O-157などの食中毒菌も、温度上昇で増殖力が高まる恐れがあります。
地球温暖化「究極のシナリオ」1978年に米国のオハイオ州立大学極地研究所のJ・M博士は、「地球の温暖化が進むと、南極の氷の一部が崩壊して海に投げ出される。
そのため、世界の海面が急に5メートルも高くなるような現象が21世紀のうちに起こる」と発表して、世界を震憾させました。
また、「ちょうど12万5000年前、最後の間氷期のさなかに西南極氷床が崩壊し、海面水位が5,6メートル上昇したが、同じことがこれから100年ほどのうちに急激に起こるかもしれない」と警告しています。
彼は「その根拠は棚氷の崩壊の危険性である」として、次のように説明しています。
巨大な棚氷が、南極のロス海やウェッデル海の奥に存在している。
それらは、内陸側の片端が支えられているだけで海へ張り出していて、壁に取りつけた棚のような状態で極めて不安定である。
この棚氷の一部は、現在、海中から突き出た岩礁に座礁していて、氷床が海の方へ急速に流れ出ないようにブレーキが作動している状態になっている。
温暖化が進み海水温度が高くなると、熱膨張のために海面が高くなる。
その結果、棚氷は岩礁での座礁から解放される。
この状況では、南極内陸部からの氷の流れに対してブレーキが働かなくなり、内陸の氷が海の方へ急速に移動して、海中へ流れ込むようになる。
そんなバカなと思うかもしれません。
しかし、最近「地球温暖化で海水温度が上がって、海底に大量に沈んでいるシャーベット状のメタン(メタンハイドレート)がとけて、ガス状になって大気中に吹き出してくる。
そうなると温暖化のスピードが10倍以上になる」という説がNHKのテレビ番組で取り上げられました。
もしこの説が正しければ、M氏の警告が現実となる可能性が高まるでしょう。
そのとき棚氷の海中への突進と、大陸の隆起を伴う大規模な地殻変動により、想像を絶する大津波が発生すると予想されています。
この津波は、波高約30〜40メートルに達するという説があるほど大規模なものです。
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